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コロナ隔離の後

Updated: Jan 22

2022/03/20




 

気がついたら三月ももう下旬だ。今月頭、大学へ通い出した息子が新入生歓迎パーティでコロナに感染し、親子三人で1週間隔離ということになった。息子は喉が腫れて、熱が39度出て、三日ほどは惨めな状態であったが、4、5日すると元気をとりもどし、最後の二日は暇を持て余していた。


まだ夏時間ですが、秋は近づいています。
まだ夏時間ですが、秋は近づいています。

隔離中ですが、薪割りなんかもしました。
隔離中ですが、薪割りなんかもしました。

父親の私と女房も濃厚接触なので同じ期間隔離した。私など、息子の具合が悪くなる前日は一緒に車に一時間ほど乗ったが、不思議と感染しなかった。妻も感染しなかった。

 

というわけで、隔離の間中は家から一歩も出ず、買い物にも出られず、スーパーの宅配サービスも初めて利用した。妻は庭をぐるぐる何十周も歩いたり、ヨガのポーズをやったりして運動していたが、私はせいぜい庭の雑草抜きくらいしかしなかったら、やはり運動不足になった。

 

そこで隔離明け、久しぶりに自転車のタイヤに空気を入れて、一日走ってきた。出かけた先は、メルボルン北部のエルサム(Eltham)という郊外の街だ。ベルグレーブの我が家から3駅ほど先に車を捨てて、そこから自転車で走る。自転車道はずっと林間なので遠景はほとんど見えないのだが、どこまでもくねくねと続く自転車道を走っていくのは変化に富んでなかなか楽しい。上り下りも適当にある。自転車道は、谷間を流れる細い川に沿って作ってあり、実は住宅街の中なのだが、上手に木を植えてあるので、住宅はあまり目に入らない。どこかの山間の渓谷を走っているような錯覚がしてくる。


一時間ほど走ると、大きな川にぶち当たる。メルボルンの中心を流れるヤラ川だが、東京周辺の多摩川や江戸川のように河川敷の広い、まっすぐな川とは違って、ヤラ川はくねくねと、昔からの流れそのままになっている。ところどころ瀬があり、水鳥もいる。

 

そこからエルサムはすぐだ。エルサムは高級住宅街で、テニスコートやプールのあるお屋敷が並ぶ。テニスコートはあっても使ってない家が多く、秋も迫ってきているので落ち葉が溜まっている。プールは見えないが、きっと同じように落ち葉がたまっているに違いない。メルボルンは気温が高くないから、プールが使える期間も短い。お金持ちというのは、どうしてヨットとかプールとかテニスコートとか、あまり使いもしないのにお金がかかるものを持ちたがるのだろう。


自転車専用と言うには立派すぎる橋
自転車専用と言うには立派すぎる橋

 

しかし、そんなことを思うのはやっかみかなと思いながら自転車を漕ぐ。ヤラ川を左に見ながら2キロほどいくと、歩行者と自転車専用の橋があり、これを渡ると大きな公園がある。今日は日曜日だから子ども向けのミニ列車が走っていて、親子連れで行列を作っている。こんな行列を見るのも二年ぶりかも。

 

大きな道を横断して、別の小川沿いに走る自転車道を2、3キロいくともうそこはエルサムの町だった。出発してから30キロ、二時間のライドだった。エルサムには電車の駅があり、お店が少しとスーパーが二軒ある。角のカフェに入り、アイスラテとベーコン・レタス・トマトサンド、略してB L Tを注文する。

 

素直に認めるが、コロナの隔離のせいもあり、久しぶりに自転車に乗ったので、バテてしまった。昼ごはんを食べたら、しばらく放心したようになり、席から立てない。30分ほど、携帯を見ているふりをしてぼんやりしたら、いくらか人心地がついた。もう三年近く前になるが、四国を一人でサイクリング旅行をしたときも、香川と徳島の県境近くの、鳴門海峡の手前のどこかの海岸で、くたびれて果てて、引き摺り込まれるような眠気に襲われた。仕方がないので、海岸沿いの公園で昼寝をしたが、あの時は、近くの漁港から漂ってくる異臭がひどくて寝ていても臭かった。

 

さあ、来た道を引き返そう。でも、まだまだ日は長いから、本当にくたびれたら、どこか木陰で昼寝をすればいい。



 
 
 

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