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キャンベラ日本大使館の園遊会に出席

滅多にないことなのだが、オーストラリアの首都キャンベラの日本大使館の天皇誕生日の園遊会に呼んで頂いた。せっかくだから出席することにした。メルボルからキャンベラまで飛行機で一時間、そう遠くはない。


天皇誕生日は2月23日だが、オーストラリアのお歴々の色々な都合を加味して、バレンタインデーの2月14日に行われた。この日は私の誕生日、しかも年男である私は60歳。こんな偶然は滅多にない。


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どうして私などに園遊会の招待状が届いたかと言うと、現在オーストラリア大使に赴任している山上信吾氏が、幼馴染だからだ。山上氏と私は東京のT市で、同じ町内、同じ幼稚園と小学校に通った仲。だから大使で多忙な毎日なのに、山上氏は律儀に時々連絡をくれる。ただ、コロナ禍ゆえなかなか会う機会がない。今回は久しぶりにやっと会えることになった。


飛行機に乗るのも、実に2年ぶり。キャンベラまで一時間弱、さぞフライトは空いているだろうと思ったら、ほぼ満席でびっくり。機内では、ドリンクサービスもお断りし、ひたすらマスク着用で過ごすが、一時間のフライトだからあっという間。


キャンベラは、オーストラリアの首都とは言え、内陸の何もないところにある人工都市だから静かなもの。人口40万、空港も、日本の地方都市の空港くらいの規模。タクシーに乗っても10分で都市部に着く。


ホテルについて一服し、昼ごはんを食べに出る。カフェで食べてから街をうろうろしていたら、大きなショッピングセンターの中に無印良品の店があった。うちのカミさんは無印が大好き。メルボルンにもあるが、そう滅多に行く機会はない。「ちょっとのぞいてみましょうか!」と、彼女は小躍りしながら店内へ、早速文房具とか、帽子とか、買い物カゴに放り込んでいる。私も、誕生日だし、思い切って散財しようかと思うが、買うものが思いつかないまま店を出てしまった。


キャンベラにくるのは3回目だが、田舎町のイメージしかなかった。でも、国会議事堂を始め、国立美術館、図書館、その他政府の中枢機関や各国の外交機関、大使館などが集まっている。だから街の中心部には、高級な店もバンバンあるのだ。やっぱり、購買力もある人が多いのだろう。パブとスーパーと農機具屋しかないオーストラリアの普通の田舎町とは違う。走っている自動車なども、高級なセダンやベンツやBMW, レクサスなどがたくさん。オーストラリアの田舎は、汚い四輪駆動ばかりだが、そういう車は少ししかいない。


無印の前に立っていたら、私たちの前をアジア系の子連れの家族が通り過ぎた。どこかで見たことがある人だと思ったら、有名な料理家アダム・リャウ氏だった。リャウ氏は元弁護士で、テレビなどに出ずっぱりの料理批評家だ。日本にも住んでいたことがあって、日本料理に非常に詳しい。奥さんも日本人である。子どもにも日本語で話しかけていた。「きっと、今夜の大使館の園遊会に呼ばれているのよ」とカミさんが言ったが、案の定出席していた。


さて、夕方になり、背広に着替えて、大使館に向かう。日本大使館のある地域は大使館街。タイ、ドイツ、韓国、英国などなど、それぞれの国の特徴を生かした建物が並んでいて面白い。日本大使館はあまり特徴のないビルだが、隣の大使公邸は、和風ポストモダン的デザインで、昭和っぽくてなかなかかっこいい。


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開宴の六時ちょっと過ぎに着くと、大使館の周りは交通渋滞、入り口にも何百人も並んでいる。「え、こんななの?すげー」と思わずため息。列に並んでいるのは、軍服を着たオーストラリア軍人、スーツやドレスの男性や女性たち。日本人は思ったほど多くない。列はそろそろ進み、入り口で簡単なセキュリティチェック。


入ると大使公邸の前庭。トヨタ、三菱、マツダなどの新車が展示されている。オーストラリアではまだ珍しい、水素車なども置いてある。こんなのに乗りたいなーと、ため息。すぐ横に海老の天ぷらを揚げているテントがあったので、列に並びながら早速ゲット。飲み物もなしで海老天ぷらをもぐもぐ。普段は揚げ物なんか見向きもしないカミさんもモグモグ。ドリンクももらえたので、ごくごく。


しばらく並んで、メイン会場に入場、黒山の人だかり。中庭には食べ物テントが並んでいる。バーベキューはもうもうと煙を上げ、ラーメンやカレーの屋台もある。しかし、私たち夫婦は上品なタチなので、会場の隅の茶道のテントで、まずは抹茶と和菓子をいただく。


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着物の女性の見事なお手前を見ていて、普段お茶でもコーヒーでも、スーパーで買ってきたカップで、ただガブガブ飲んでいる自分達を反省した。お茶とは、本来この様に静謐なひと時の中で、じっくり味わいながら喫するものだと悟る。お茶と一緒にいただいた和菓子も、実に結構な味だった。


一方、会場はワインやシャンパンを片手の人たちで大賑わいだ。まずは君が代とオーストラリア国歌斉唱(天皇誕生日ですからね)。それから、山上大使のスピーチ。昔、若かりし現天皇がオーストラリアへ来た時にそこらを自転車で走り回って楽しんだとか、そういう肩の凝らない話を枕に、現代の緊迫する政治社会情勢の中での日豪交流の絆の大切さ、という話だった。もう50年も前に、毎日一緒に遊んだり、悪戯とか立ちションとかした幼馴染が、立派に英語でスピーチをしているのを聞くのは、なんか不思議な気持ちだった。

大使のスピーチも終わったし、あとは食べて飲むだけ。食べ物のテントは行列だが、めげずに色々食べてみる。ラーメンは、鰹出汁が効いていて、美味しくズルズルいただく。シナチクにもしっかり味が染みていた。うなぎの押し寿司は、山椒の風味が効いていて、非常に美味。ウナギを食べるのは3年ぶりか。飛騨牛の炭火ステーキは、上手にレアに焼いてあり、超柔らかくて口の中でとろけるよう。和牛、和牛と騒がれる理由が分かる。抹茶ソフトクリームは、苦味がきいて大人の味。もっと食べたかったが、もうお腹いっぱい。


(飛騨牛を焼くシェフ)

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で、大使ご夫妻にも挨拶しなければと、列に並ぶ。(どこも行列だ)。大使夫妻は、最初っから最後まで、たったまま参列客に挨拶し通し。ずっとニコニコ笑顔で、外交官って大変だな。私たちの前にはテレビのニュースで見かける国会議員、高級官僚などがたくさん立っている。おっと、すぐ横いるのは元首相のトニー・アボット氏だな。


やっと挨拶の順番が回ってきた。私たちの様な下々の民にも、大使夫妻はやっぱりニコニコ。「よー、信ちゃん久しぶり!」と私。「おー、てっちゃん、よく来てくれたなあ。今朝、東京のお袋とズームで話したんだけど、お袋がてっちゃんによろしくって言ってたぞ」と山上大使。やっぱり幼馴染は良いもんだ。キャンベラまで来て良かった、良かった。


大使ご夫妻(両脇)と記念写真


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さあ、そろそろ帰ろうかと思ったが、大使公邸の中にも日本企業の展示ブースが出ている。せっかくだからじっくり見学。航空会社、宇宙ロケットを作っている企業、JR、自動車メーカーなどなど。「オーストラリアに、ぜひ新幹線を走らせてよ!」とJRの社員を激励した。すると「はい、頑張ります!」と、爽やかで威勢のいい返事が返ってきた。やっぱり日本企業の人は違うねえ。


もちろん、「お二人」の写真もありましたとも。Happy birthday!


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外は闇が迫り、そろそろホテルに帰る時間。出口では、着物姿の女性たちがお土産袋を配っている。もちろんゲット。中に入っていたお土産は、JALのカップヌードル、JRのペン、缶コーヒー、ヤクルト、東京オリンピック・パラリンピックのバッジなどなど。それと、いろんな企業のパンフレット。中でもJRの新幹線を英語で説明したパンフは、マニアならヨダレものだろう。eBayで売れるかもしれないと思うが、すぐに反省する。


大使館の前はまたもや交通渋滞。それなのに携帯でウーバーの車を呼んだら、2分で来た。どうなっているのか分からんが、便利な時代になったもんだ。


以上、私たちオーストラリア日本大使館、天皇誕生日レセプションのレポートでした!

 
 
 

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